2017年1月30日月曜日

アメリカで家を購入すると節税になる?

アメリカではタックスリターン、税務申告の時期です。今年の申告の受付は、1月23日に始まっており、締め切りは4月18日です。職場のリンダちゃん。今年は家を買ったので、税金が沢山戻ってくるの。早く申告して、お金貰わないと、と言っています。

家を購入すると節税対策になるってよく聞きます。不動産屋さんも、家を買わせるために、今のローンは史上最低の4%だし、あなたのお給料ならそのうちの28%は節税になるんだから、実際はたったの2.9%よ、とか、月々のモーゲージは2000ドルだけど、税金で帰ってくる分があるから、実質上の支払いはたったの1700ドルくらいよ、借りるよりずっとお得でしょ、なんて話をされます。

本当でしょうか。

本当でもあり、嘘でもあります。その人の収入、ローン金額、ローン利率、家の価値等によります。

所得税は、大雑把に言ってしまうと、収入から様々な控除額を引いた、税額対象額に対してかけられます。控除は、スタンダード・ディダクション、すなわち、標準控除か、アイテマイズド・ディダクション、すなわち項目別控除のいずれかを選択します。選択は個人の自由だけど、もちろん、特になる方を、普通は選びますよね。(非居住者扱いの人は、標準控除を選択できませんので、注意ください。)

家を購入した場合、モーゲージの支払利息分と、不動産税を、項目別控除に考慮することができます。項目別控除は、その他、寄付金額や、一定の医療費、仕事関連費用や、税金等を入れることができます。

2016年の標準控除は、独身者の場合、6,300ドル。夫婦合算申告の場合は12,600ドル。項目別の控除金額の合計が標準控除の金額よりも多い場合にのみ、項目別控除を使い、その場合にのみ、家の購入が節税につながることになります。例えば、夫婦合算申告の場合、モーゲージの支払利息と不動産税の合計が10,000ドルで、項目別控除の合計が15,000ドルだった場合、家を買わない時と比べて、2,400ドルに対する税金が節税されます。10,000ドル分じゃないことに注意です。

さて、リンダちゃんの場合。ボーイフレンドと一緒に家を購入して、彼女が支払っているのは不動産税のみ。モーゲージはボーイフレンドが支払っているそうです。不動産税が2,500ドルくらいと言っていたので…。うーん、学生ローンや州税を考えても、もしかしたら標準控除の方が高いかも。

(不動産税は、毎年、2回に分けて請求され、11月と2月が期限。リンダちゃんの場合、2月期日のものを12月末までに支払って、不動産税の支払額を5,000ドルとすることで、項目別控除を使うメリットが高くなる可能性があります。)

一方、高額所得の独身者の場合、州税の方が標準控除の額より高いってことも往々にしてあるので、そんな場合には、家の購入が、マルマル節税対策になります。

ただ、トランプ政権で、現時点として出されているプランだと、標準控除の額を大幅に上げる(独身者15,000ドル、夫婦合算申告30,000ドル)ことが言われています。そうなると、項目別控除を使う可能性が低くなり、持ち家による節税がむずかしくなるかもしれません。

 

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